2011.05.31 Tuesday
不思議を売る男
エイルサが図書館で出会った不思議な男、MCC・バークシャーは、
エイルサの母が営む古道具屋で働くようになり、お店の道具にまつわる
話を客に聞かせる。
誰もが彼のお話のおもしろさに魅せられ、大時計、ハープシコード、
文具箱などの品物を買っていく。
こんな内容なのですが、品物の由来である一つ一つのお話がどれも
素晴らしい短編で、お客やエイルサ母娘はもちろん、私たちもぐぐっと
引き込まれてしまいます。
お話の中のお話。
そして最終章ではあっと驚くMCCの秘密が明かされるのです。
一瞬頭が混乱しそうになるくらい不思議で、ちょっと寂しくて、
でも温かい結末。
息子に読み聞かせながら、たっぷり2週間ともに楽しめた本でした。
物語の中、
品物についてまことしやかに語るMCCにエイルサの母ポーベイ夫人が
「あなたの言っていることは嘘でしょ」と言います。
MCCは「ぼくがしたのは嘘ではなく“お話”なんですよ。お話、これこそ
みんなが求めているものなんです」と答えます。
彼の言うことがわかります。
人は生きていくために“お話”が必要なのだと。
亡くなった人を想いながら、
おばあちゃん、今頃は天国で先に逝ったおじいちゃんと仲良く話しているだろうね…
あの子は優しいから、私にこれ以上世話をかけないように逝ってしまったのかな…
人は自分でも気づかぬうちに物語を作り続けるのです。
苦しみや悲しみの中にいるときも、
そこから再び歩き出すときにも、
人には物語が、お話が必要なのでしょう。
今は特に、多くの人が“お話”を求めているときかも知れません。
エイルサの母が営む古道具屋で働くようになり、お店の道具にまつわる
話を客に聞かせる。
誰もが彼のお話のおもしろさに魅せられ、大時計、ハープシコード、
文具箱などの品物を買っていく。
こんな内容なのですが、品物の由来である一つ一つのお話がどれも
素晴らしい短編で、お客やエイルサ母娘はもちろん、私たちもぐぐっと
引き込まれてしまいます。
お話の中のお話。
そして最終章ではあっと驚くMCCの秘密が明かされるのです。
一瞬頭が混乱しそうになるくらい不思議で、ちょっと寂しくて、
でも温かい結末。
息子に読み聞かせながら、たっぷり2週間ともに楽しめた本でした。
物語の中、
品物についてまことしやかに語るMCCにエイルサの母ポーベイ夫人が
「あなたの言っていることは嘘でしょ」と言います。
MCCは「ぼくがしたのは嘘ではなく“お話”なんですよ。お話、これこそ
みんなが求めているものなんです」と答えます。
彼の言うことがわかります。
人は生きていくために“お話”が必要なのだと。
亡くなった人を想いながら、
おばあちゃん、今頃は天国で先に逝ったおじいちゃんと仲良く話しているだろうね…
あの子は優しいから、私にこれ以上世話をかけないように逝ってしまったのかな…
人は自分でも気づかぬうちに物語を作り続けるのです。
苦しみや悲しみの中にいるときも、
そこから再び歩き出すときにも、
人には物語が、お話が必要なのでしょう。
今は特に、多くの人が“お話”を求めているときかも知れません。